うん。口ではそう言っても、本心は一秒でも早く帰りたいだね。
目がそう語ってるし…。
とりあえず芝生に座りると、隣に由輝も腰を降ろした。
「ちょっと……頭ン中で話まとめんの待ってくれる?」
いつもなら「俺が来るまでに考えとけよ!」って言われるが、俺が真剣に言ったからか由輝は「ん」と頷いた。
「あの、さ……」
「うん?」
しばらく黙って星を見ていたが、決心した俺は口を開いた。
視線は空に浮かぶ月を見つめていた。
「もしも、もしもの話な?」
「んん…?」
由輝は首を傾げたが、俺は構わず話を続けた。
「もし…来月、隕石が落ちてきて地球が無くなるって言われても実感なくね?」
「…実感ねーな」
「だよな………。
自分があと二ヶ月で死ぬって言われても似たようなモンだよな。」
「まあな………。」
「…………」
「………夏琅?」
「……………………。」
ドクドクと波打つ心臓を落ち着ける様に、ゆっくり深呼吸をした。
――――大丈夫