空がよく見える街外れの丘。
俺は制服だということは気にせず芝生の上に座って、ぼんやりと真っ暗な空を見上げていた。
今日は星が綺麗に見える。
小さな光だけど、確かにそこで輝いている。
俺もあんな星の様に輝けるのだろうか?
ガサガサッと音がし、振り向けばジャージ姿の由輝が立っていた。
暗いけど街の灯りや、星の光で何となく分かる。
「何だよ、こんな時間にこんな所に呼び出して」
現在の時刻9:26。
そんなに遅い時間か?
まぁ8時過ぎまで部活で、ここまで来るのにバイクでも20分くらいかかる由輝からしてみれば、確かにこんな時間にこんな所かもしんねぇけど…。
眉間に軽く寄せられたシワが、由輝の不機嫌さを表している。
「まーまー!そう怒んなってぇ。それより飯食った?」
俺はいつもの調子でたずねた。
「まだ。だから帰るわ」
「じゃーなー」と踵を返す由輝の腕を慌てて掴んだ。
「ちょ、それで帰ったらお前は何しにココまで来たわけ!?」
「冗談だっつの…。で、話は?」