「はい?」
俺は上半身だけ起こす。
先生は静かにベットの隣のイスに座った。
「あのね…最近、体調悪かったとかない?」
「え………?あー…そういや、最近やたらダルくて…。夏風邪かなって思ってたんですけど…」
そうそう…。サッカーすんのも嫌なくらい、ダルい時もあった。
「そう……」
それだけ言って目を伏せる先生。
「じゃあ、念のために今日の放課後にでも病院行ってくれるかな?」
「えっ」
病院って……ンなオーバーな!
俺の考えていた事は顔に出ていたのか、先生はもう一度「念のためよ」と言った。
「はーい……」
「よし!じゃ、大丈夫そうならもう教室に戻っていいよ」
「失礼しましたあ」
ピシャッと扉をしめて教室へと戻った。
「夏琅!」
教室に入るとほぼ同時に來が飛び付いてきた。
「うわっ」
俺は慌てて來を受け止める。
「元気そうでよかった…」と、涙目で見上げてくる。
普段は人前では絶対抱きついてきたりしないのに…。
これ以上、心配をかけない様に、みんなには病院へ行く事は黙っておく事にした。