「別にそれは良いんだけどさ…。何であんなとこで倒れてたの?」
ふつう…気になるよね?
「え?あー…。
歩いてたらいきなり囲まれて、全員倒したと思ってたんだけど……1人倒し損ねてたみたいで、ナイフでぐさっと。」
淡々と話す碓水。
ナイフでぐさって…どんだけ恨まれることしてんだ……。
「で?」
「え?」
「お前は何でこんな時間にあんなとこにいたんだよ?」
顎をクイッと持ち上げられ、碓水の顔が近づいてくる。
うわ…。キレイな顔しやがって。
こりゃ、女のコたちも騒ぎたくなりますよー。
別にどうでも良いけど…。
とりあえず手を離させようと腕を掴むけど離れない。
意外と力強いな!
「さっきからあんなとことか言ってるけど…碓水どこで倒れてたんだよ?」
由輝ちゃんと利玖は目の前に広がる光景については何も気にならないらしい。
首を傾げながら聞く。
「人…」
「碓水!」
私は慌てて碓水の口を押さえた。
思いっきりいったせいで、碓水は背中から倒れた。
でも、そんなの気にしない!
「人通りの少ない路地裏」なんてバレたら、由輝ちゃんにしばかれる!!