「ふー……。由輝ーー!ちょっとヘルプッッ!!
それと、明美ちゃーん!急いで救急箱、用意してー」

碓水と私を支えながら、利玖は家の中に叫ぶ。


「何だよ、利玖?……え、碓水っ!?どうゆう事だよ?」

「どうしたの、その子!」

由輝ちゃんとお母さんが部屋から出てくる。

やっぱり驚くよネ………。


「説明は後!先にリビング連れてって、明美ちゃん診てやって」

「分かったわ。由輝、その子はソファーに寝かしてあげて。その後、タオル用意して」

こう見えてお母さんは看護婦さんだから、冷静に指示をだす。


「碓水…大丈夫なのかよ?」

「さぁな……。それに、こっちもだいぶお疲れみたい」

ポンポンと私の頭を叩く利玖。


「そっか…。」

それだけ言って由輝ちゃんは、碓水を連れてリビングに入っていった。


「…愛輝ー?大丈夫か?」

「……………」

大丈夫って言いたいけど、言葉がでない。


「……よく頑張ったな」

利玖は私を抱き上げ、玄関の扉を締める。

私はきゅっと利玖の首に腕を巻き付け、首筋に顔をうずくめた。