ちらっと碓水の顔を見た。

目を閉じて、苦しそうな顔をしている…。

早く連れて帰って治療しないと!

私は雨の降る中、夜の路地裏を歩いた。




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やっとついた…。

自分で扉を開けることが出来ない私は、殴る様にインターフォンを押す。

早く…っ、早く!

早くしないと碓水が…っ!!


「愛輝!お前アイス買いに行くのに………って、え?は?」

出てきたのは利玖。

ここ……私ン家なのに。

両手が塞がっている私の変わりに利玖が門を開けてくれた。

でも、状況は分かっていない……と、いうかコレが誰か分かってない様子。


「同じ…クラス、の碓水玲だよ……。」

「はぁ!??碓水っ??」

驚いた声を出しながらも、碓水の左腕を自分肩に回し右手で碓水を支え、利玖は「とにかく中に入るぞ」と言う。


「ん。……っ」

疲れと安堵からか、碓水が私から離れた瞬間、力が抜けて膝から崩れそうになった。


「あっぶね……!!」

空いている右手で私の腕を掴んでくれた利玖に、そのまま抱き寄せられた。