「きゅっ、救急車!!……あれ?ケータイが無いっ!!」

アイス買いに行くだけだから、置いてきたんだった!


「とにかく!!病院っっ」

碓水の腕を掴むと…

「あい…は、ら……?」

小さな声で私の名前を呼ぶ碓水。


「碓水!!!大丈夫っ!今から病院行くからね」

よいしょっと言って碓水を担ぐ。

身長の低い私じゃ、碓水を運ぶのは大変だけど…そんな事言ってられない!


「はな…せ…」

「わっ」

私から離れ座り込む碓水。


「大丈夫……だか…ら…。」

「っ…大丈夫じゃない!!」

碓水の腹部からは、黒い制服でも分かるくらい大量の血がついている。


「このままじゃ…碓水、死んじゃうよぉ」

頭がパニックになって、ポロポロと涙が溢れる。

それでも「病院は嫌だ」と否定する碓水。


「じゃあ、ウチ行こ!!とにかく治療しないと」

涙と拭い、再び碓水の腕を掴む。


「…………」

碓水は観念したのか、疲れたのか何も言わなかった。

碓水の右腕を自分の肩に回し立ち上がった。

ぅわ……軽い!!

身長的には大変だけど、体重的には何の問題もないかも!!!