「涼介!!!」
「……っ」
目を開くと目の前には花梨。
俺は勢い良く起き上がる。
「うなされてたけど大丈夫?」
心配そうな表情の花梨の背景は、紛れもなく俺の家で…さっきのは夢、なんだと気づく。
「ハッ…ハァハァ……」
情けなく震える手をギュウッと、力いっぱい握りしめた。
「涼介、だいじょ……キャ!?」
俺は思わず花梨に抱きついた。
「花梨ッ……俺…おれ…っ」
怖い…痛い…怖い…痛い…
嫌だ嫌だ嫌だ……誰か助けて
「大丈夫……」
うつ向く俺の頭を優しくと花梨が撫でてくれた。
その手が温かくて酷く安心する。
「涼介は独りじゃないよ……」
独りじゃ……ない?
あぁ、そうだ……。
俺はもう独りじゃないんだ。
気づけば震えは止まっていた。
「ありがと…花梨」
「どういたしまして」
優しく微笑んでくれる花梨。
………って、あれ??
ふ、と我に返った。
…………俺…今…花梨のこと……押し倒してる!??
カァと顔へ一気に熱が集中。
夏琅が変なこと言ったから意識するだろ!!
タイミングを逃しこのまま進む事も、退く事も出来ず固まる俺。