あの苦しみも、あの孤独も、
あの絶望も、あの空虚も、
全部、体験した奴にしかわからない、って………。
「あぁ…。」
「由輝ちゃんが死んじゃって、悲しいし寂しいし泣きたいし……。だから此処にも来ちゃうんだけど………。」
でも、前には進まなきゃって思う
その言葉だけ、やけにはっきりと聞こえた気がした。
「あのね、碓水……。幸せは待ってても来てくれないよ。」
神様は優しくなんてないから、
自分の幸せは自分で幸せを掴みにいかないと。
「…………俺は幸せになりたいなんて、全く思ってねぇよ。」
小晴を殺した俺が、幸せになる価値なんてない。
一生消えない傷と罪を背負って生きていけばいいんだ。
それが俺のせめてもの罪滅ぼし。
「……………はぁ」
相原が露骨にため息を吐いた。
「なんだよ?」
「碓水は小晴くんの事、なーんにも分かってないね。」
少しバカにした様な相原の声が、頭にきた。
「お前に何が分かんだよ」
起き上がり相原に言う。
少し声を低くする俺を見て、相原はニコッと笑って立ち上がり……
「私は幸せになります!」
空に叫んだ。