びしょびしょに(泥水だけど)濡れた好きな女が自分の足の上に座っている(しかもミニスカで)っというのは実においしいだろう。

それとも女慣れしている利玖にはこれくらい何でもないのか…。

「利玖も大変だよね」

同情の眼差しを送る來。

ちなみに利玖が愛輝を好きだっていうのは、愛輝以外はみんな知ってる話。


「由輝ちゃんたちも遊ぼ!」

バシャバシャと水しぶきを上げて愛輝がこっちへ戻ってきた。

「よっしゃ!!行くぞ由輝!!」

「はっ!??」

俺は由輝の背中を押して、水溜まりの方に走っていった。

真ん中くらいまで来たとき、

グイッ

突然、腕を掴まれた。

「おりゃ」

と、いきなり世界が反転。

視界に映ったのは、夕陽を背景に不適に笑う由輝。

「ちょ、由っ!!!」

いきなりだったため、何の受け身も取れず

バッシャーン!

背中から思いっきり泥水の中へ。

「仕返しだ」

パンパンと手を払う由輝。

そんな俺らを見てみんな爆笑だ。

くっそー…やられた。

「お前らも来いよー!!」

利玖が未だグランドの外で見ている夏琅と來に叫ぶ。

「あー…、今日、來が女のコの日だからパス!」