―――10分後。

「うーすーいー……」

「……お前、いい加減に寝ろよ」

「私を寝かせて何する気!?」

「何もしねぇよ。」

パタパタとソファーの上で暴れる相原に舌打ちする。

めんどくせぇヤツだな…。

ほっといて、さっさと帰るか?

…なんて本気で考えだした時、

「眠たくない………。」

小さな声が聞こえた。

「……寝れないじゃなくて?」

「…………、」

言葉を詰まらせ目を伏せる相原に図星だなっと確信する。

小さくため息を吐いて、ソファーに肘をつく。

「……寝れるように何かしてよ」

「むちゃぶりだな。子守唄か?」

「あー…。歌上手そうだもんね」

「いや、冗談だから。」

ちぇっと本気で残念そうな相原。

俺、子守唄なんて知らねぇし。

聞いた事もねぇし。


「………碓水の話、聞かせてよ」

俺の、話…………?

「はぁ?」

思わず間の抜けな声が出た。

「ほら、寝る前に絵本とか良く読むでしょ?あーゆー感じ。」

好きなものでも嫌いなものでも、今までの思い出話でも何でも良いよ………なんて、

「俺の話なんて聞いても、面白くもなんともねぇぞ?」