寒い部屋と相原家の電気代を考え一旦クーラーを切った。
風邪を引かない様に着ていたパーカーを相原にかけて、寝顔を見つめた。
本当に無防備なヤツだな。
「こんなの………襲われても文句言えねぇんじゃねーの?」
なんて考えながら真っ赤になった目尻を親指で撫でる。
「ニャオ」
制止する様に鳴き声が聞こえた。
ちょこんとフローリングに座って俺を見上げる子猫。
「………大丈夫だって。手ぇ出すわけねーだろ?」
そう言って撫でてやると、気持ち良さそうに喉を鳴らす。
相原が目を覚ますまで、このネコと遊んでおくことにした。
「んー……」
「起きたか?」
ん、と言って起き上がった相原はて寝惚けた声で「あたまイタイ」っと言った。
「酸欠だろ?しばらくしたら治るって。それより目冷やしたら?」
「………そんなにヤバい?」
「かなりヤバい。タオルどこ?」
「あれ…」
相原が指差す先には、テーブルの上に乗ったピンク色のタオル。
それを持って、キッチンで水に濡らし相原に渡す。
「ありがと……」
「別に…。お前、最近寝てねぇんだろ?俺は帰るしちょっと寝れば?」