あなたの笑った顔がすきでした。

だいすき、でした。



家に帰って「ただいま」って言えば、いつでも「おかえり」って言ってくれた。

それから晩飯の買い物いくぞって言って私の手を引っ張る。

少しづつ暗くなってきた空には小さな星が瞬き始め、太陽は遠くの山の向こうに沈んでいく。

由輝ちゃんと良く歩くこの河原がだいすきだった。

由輝ちゃんと見るこの紅の夕日がだいすきだった。

心地よい風が吹いて髪がなびく。

「ちょっと休憩しよ!」

由輝ちゃんの手を握り河原を降りる。

めんどくせぇって言いながらもちゃんと手を握り返してくれた。

二人肩を並べて腰を下ろす。

「愛輝は何食いたい?」

「オムライス!」

「それ、先週食っただろ」

たまには和食にしようぜ、って
由輝ちゃんは言う。

「だって由輝ちゃんのオムライス美味しいもん!」

「…………。」

「私も手伝うからさっ」

仕方ねぇな、そう言って由輝ちゃんは私の頭をクシャッと撫でる。

紅色に綺麗に染まる夕日を背景に笑う由輝ちゃん。

「やった!由輝ちゃん大好きっ」


こんな些細な事が幸せだった。

この時間が永遠だと思ってた。