「私ね…まだ由輝ちゃんと仲直りしてないんだぁ」
膝を抱え小さな声で話す愛輝。
「そう言えば…俺、由輝から伝言預かってんだけど」
「えっ?」
いつ会ったの?ってたずねてくる愛輝に、手術した時に夢の中でと答えた。
「信じない?」
「信じる。…由輝ちゃん何て?」
――――酷いこと言ってゴメン。
――――だいすきだよ。
――――ずっと見守っているから…………泣かないで。
由輝のコトバを伝えると愛輝は
下を向いた。
「愛輝……?」
どうした?、と顔を覗き込むと
愛輝は声を出さない様にと口元を手で覆いながら、ぼろぼろと涙を流していた。
「ゴメ…ッッ……もう…泣かないって決めたのに…っ」
そう言って涙を拭う愛輝の頭を撫でてやった。
「今日くらい………泣いてもいいんだよ」
由輝がいなくなってから俺は愛輝が泣いたとこを一度も見ていなかった。
俺が目が覚ますのに時間はあったけど、愛輝は由輝が大好きだったからたった数日で立ち直れる訳がなかった。
俺を傷つけないように……ずっとガマンしてたんだ。
「ごめんな…………」
そう呟いて俺は空を見上げた。