そういえば…碓水君って毎回テストで1位だよね!?

学校に来てないのに、何でこんなに頭良いんだろう?


「ありがとう」

にこっと笑ってお礼を言った。


「別に」

そっけなく返され、碓水君は黙ってしまった。

帰っちゃうのかな?って、思ったけど立ち上がる気配はない。


開けっぱなしにしていた窓から風が入って、碓水君の金髪がさらさらとなびいた。

それが、綺麗で私は思わず見とれてしまった。

……に、しても近くで見るとやっぱりカッコイイな。

それに本当は優しいし。

いつも無表情で1人でいるから、もっと怖い人かと思ってた。


「お前、すごいな」

不意に碓水君が口を開いた。

「……へ?」

「テスト前になったら、こうやって勉強してんだろ?」

「…………」

「ちゃんと頑張ってるから、頭良いんだな」

そう言って碓水君は少し笑った気がした。

トクン…と心臓が鳴る。


「頑張ってる並木に、これやる」

碓水君が机に置いたのは、林檎ジュース。


「あ…の………」

胸がいっぱいで、上手く言葉が出ない。