「まぁな…。だって今年のバレンタインだっけ?愛輝のやつさ、
はい、由輝ちゃん!チョコレート上げる!チュッだったのに、お前の時は普通に…はい、利玖!チョコレート上げる!だったもんな」

「それは拷問だね…」

「うわああ!そこに触れるな!!
……あーあ。昔は俺にもほっぺにチュッくらいしてくれたのにっ」

ホントに悲しくなってきた。

結局、俺はケンカ中の由輝にさえ勝てねーのかな。


「……………」

――――愛輝ね!大きくなったら由輝ちゃんのお嫁さんになる!

ガキのときはこんな事も笑顔で言ってたからなー…。

そう考えれば今はまだマシか?


でも……………

―――パパ…どこいったの…っ?

10年前のあの日…。

愛輝の隣にいたのは由輝だ。

愛輝を守ってきたのも由輝だ。

………俺は何もできなかった。

そう考えば、俺が由輝に勝てないのも分かる気がする。


「そんなに悩むなら告白しちゃえば良いじゃん」

「ホント簡単に言うよな。告白出来たら苦労しないって?」

「何を告白すんの?」

「えー、そりゃ……って」

「「愛輝!??」」