「ギターの練習は…休めないしなぁ。んー…、そだ!1日くらい部活休んじゃえば?」

「はぁ?ヤだよ」

「なんで?毎日行ってんじゃん」

「当たり前だろーが。もうすぐ大切な大会が近いから休めるわけねぇだろ」

俺の言葉に、愛輝はムッとした顔になった。


「なにそれ?由輝ちゃんは夏琅よりバスケを取るの?」

「はぁ??意味分かんねぇ。」

きっと愛輝は俺が夏琅よりバスケを選んだ事に……

そして俺は夏琅とバスケを天秤にかける事に……

それぞれの理由で頭にきていた。

一気に雰囲気が悪くなる。


「だってそうじゃん!由輝ちゃんがバスケして遊んでる時に、夏琅は苦しんでるんだよ!?」

「バスケは遊びじゃねぇよ!部活行こうが、見舞い行こうが俺の勝手だろ?」

「だからっ」

椅子から立ち上がる愛輝。


「愛輝、うざい。さっきから何なの?お前にそこまで言われる筋合いねぇし。」

「……でもっ」

まだ何か言おうとしてくる愛輝に苛立ち思いっきりテーブルを叩いた。

コップが倒れて、中に入っていたお茶が溢れる。

目に涙を浮かべた愛輝が睨んできたので、俺も睨み返した。