「あ、いや…別に……」

言葉を濁していると、タイミング良く病室の扉が開いた。


「アイス買って来たぞー」

「マジで?やり〜」

俺は逃げる様にベットから離れてコンビニの袋を掲げる涼介の方に向かった。




「んまっ♪」

「やっぱ夏はアイスだね」

「ですねー」

各自好きなアイスを選んで、
機嫌良くアイスを頬張っている。



「あのさ……もし、もし、俺が夏休みが終わっても生きてたらさ」

アイスを食べ終えた、夏琅が不意にに口を開いた。

來は何か言いたげな顔をしてたけど、何も言わなかった。


「秋祭りでバンドやらね?」

「「バンドっ?」」

予想してなかった夏琅の提案に
みんなの声がハモる。


「そー。毎年、ステージでライブやってるだろ?あれ、俺たちも参加しようぜぃ」


秋祭りとは学校主催のお祭り……まぁ、文化祭みたいなもので。

中庭に結構大きめなステージが、設置されてそこで歌を歌ったり
ダンスしたりできる。

基本は軽音部やダンス部が参加しているのだが、仲良しグループで出し物してもOKだ。


で、夏琅はそれに参加しようと言ってるんだけど………。