体育館から出ると、染キレイな夕日が見えた。
少し前を歩く夏琅。
「夏琅…」
來が立ち止まる。
自然と私たちの足も止まった。
後ろにいる私たちじゃ、來の表情は見えない。
「ん?」
名前を呼ばれ振り向いた夏琅は、少し驚いた顔をして、それから
笑顔になって両手を広げた。
そこに來が飛び込む。
「バカバカ……っ」
ぎゅっと夏琅に抱きつく來。
「ごめん」
「………」
「寂しかった?」
「…うん」
「心配した?」
「……うん」
「ヤキモチ妬いた?」
「………」
何も言わなくなった來に夏琅は苦笑い。來がどんな顔してるかなんて、見なくてもわかる自分に少し笑えた。
ここからは見ない方がいいかな?
黙って2人に背中を向ける。
隣の利玖と目が合い、利玖は「ホント困った奴らだな」と言いってはにかんだ。
「なぁな!写真撮らねぇ?」
「うわ!?」
夏琅が勢いよく、由輝の背中に飛び付いた。隣で來が笑顔で愛輝と話している。
無事に仲直りしたみたい。
とりあえず、一安心かな?
「そーだな、最近撮ってなかったし」
夏琅を振り払いながら、由輝が言う。