年下彼氏は後輩くん★





「おやすみ…」


「おやすみ」

風呂に入り、絢芽ちゃんにベッドを貸し、ボクは今日ソファー。


頭を冷やさないといけないし、また、あんな事があると……




「……はぁ………」



ゴクッ

冷蔵庫から、水を取り出しグッと一口。


「…はぁ……」






「俺、どうしよう」

ゴロンとソファーに横になり、目を瞑る。



絢芽ちゃん、怒ってるかな

別れるとか、言わないかな

そんなのイヤだ

ボク、絢芽ちゃんから離れたくない





ガタッ



いろいろと考えていると、寝ていたようで、気が付いたら朝だった。


「ゴメンね、起こしちゃった?」

「ううん、大丈夫」

ホッ

良かった、いつも通りだ


「朝ご飯、食べれる?」

寝起きだから、と付け足し首を傾げて聞いてくる。


「食べれるよ、いただきます」

イスをひき、座って箸を持ち、一口、口に含んだ。

「いただきます」

続いて、絢芽ちゃんも箸を持って食べ始めた。





朝ご飯は、サラダにスープ

絢芽ちゃんの好きなパンにオレンジジュース


「絢芽ちゃん、部活ある?」

「部活…あるよ?」


「じゃあ、部活終わったら絶対に門のとこで待ってて」

「うん、わかった」




食事を済ませ、学校へ行く

もちろん、手を繋いで








チラ


後ろをチラッと見ると、不審な奴が1人

「絢芽ちゃん…」


ギュッと引き寄せ、再び後ろを見ると居なくなっていた。



「じゃあ、また後で。絶対にボクが来るまで動いちゃダメだよ」

チュッとおでこにキスをし、絢芽ちゃんと別れた


何か、後ろに視線を感じる

その方を見れば


「………」

なんだアイツ

気持ち悪い







「おい、涼」

門の前に立って、こっちを見ている奴を睨んでいると後ろから声がした。


「…あ、先輩」


「アイツ何?知り合いか?」

「知り合い?あんな気持ち悪い奴と知り合いなんかヤですよ」

「何?ストーカー?」

「知りません。殺して来ます」

そう言って、向かおうとすると止められた。


「アイツ、可笑しくねーか?」

「ですね」

「あの制服、隣町のだろ」

「そうですね」








しばらく見ていると、フッと口元だけ笑いどこかへ行った。


「家からずっとか?」

「はい」

「アイツ、隣町の北の制服だったな。って事は……」

「ニュースでやってた不審者」

「…そうかもな」


気をつけろよ、と付け足しボクの頭をポンポンと叩いて健先輩は自分のクラスに行った。

「不審者、か…」








携帯で北の情報収集するか

「りょーうっ!」


遠くから聞こえる声

クラスメートの荒石輝

「え?シカト?」

肩に乗せてくる腕をどけながら、傷付きやすい輝にシカトと続き、「邪魔」そう言えばポトッと落ちた腕


「ひ、ヒドい…」

輝は、肩がプルプルとなり、涙目になる


「あっそ。俺、授業サボるから」

手を振り、屋上へと向かう







「…ふーん……」

屋上に行き、北の友達にメールをするとさっきの奴の情報がきた



江波奏斗16歳

北高1年

容姿端麗で優等生

男女問わずモテモテ

彼女には、束縛がひどくこの前別れた
今は、誰よりも好きな子がいる

最近は学校を遅刻がち


「…気をつけねーとな」

携帯をパタンと閉じ、目を瞑る