「あっ、桃ちゃん！」


そいつらの一人が、モモがこっちに向かってきたことに気がついて、一気に奴らのテンションが上がったのがわかった。


なんかスゲーな

バンドの出待ちみてぇ。




「エイジくん！遅くなってゴメンネ。」


モモは奴らを軽く無視して、俺にアイドルみたいなキラキラの笑顔でそう言った。

それがいかにもって感じで、なんだかおかしくなる。

普段はいつもこうやって、自分を作ってんだな？




「もっ桃ちゃん、ここ…こいつ誰ですか？」


さっきから俺に色々言ってくる奴が、どうやらリーダーみたいで、明らかに俺達より年上のクセに、モモに吃りながら敬語で控えめにそうきいた。



「お友達だよぅ。
これからはエイジくんに送ってもらうから、大丈夫だからねっ。」




モモは飛び切りの笑顔を振りまきながら簡単にそいつらをあしらって、バイバイといいつつ俺の腕を引っ張って歩きだした。