その夜――
私達二人は、ずっと母からの連絡を待っていた。
そして午後11時過ぎた頃、待ち続けていたサトシはテレビを見ながら寝てしまった…
私は髪を乾かせながらソファーに座り、深夜のバラエティ番組を見ていた。
その時、玄関の鍵が開く音がして、私は急いで玄関まで走って行った。
「お母さんおかえりなさい。
お父さんはどうなの?
連絡くれないし…」
最終電車で、父の赴任先から母が帰ってきた。
「ごめんなさいね。
電話しようとしたんだけど、公衆電話が無くて…」
「最近、公衆電話あまり無いから仕方ないね…
それで、お父さんの具合はどうなの?」
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