少し開いたドアの隙間から、誰かが覗いた様な気がした…
ピンポーン
その時、玄関のチャイムが鳴りった――
「あ、サトシが帰ってきた!!」
私は心細くて、早く一人きりから抜け出したくて、急いで玄関に行った。
「おかえり―!!」
私はスリッパのまま下り、素早く玄関のドアを開けた。
「もう…
あんた帰るの遅いよ」
あ、あれ…
誰もいない?
気のせいだったのかな…いや、でも――
その時、周囲に冷気が立ち込め、異様な雰囲気に振り返った。
すると、玄関マットの上にあの女が座っていた――!!
長い黒髪に、透き通る様な白い肌…
間違いなく、あの女だ!!
長い前髪の奥に怪しく光る細い目が、私をじっと見ていたのだ。
息苦しい程の空気が、私の周囲に充満した。
「何も終わっていないのよ、何もね…
アハハハハハハ!!」
.