その先生は、その後直ぐに学校を辞めてしまって、もういないけどね… 今は確か、公立高校の先生をしてるって聞いた事があるけど…」 私はその時、不意に思い出した… 「ねえ、その先生の名前は?」 「その先生の名前は、青山先生…数学の先生よ」 私と智子は、互いに顔を見合わせた。 青山先生が、北山高校に赴任してきたのは2年前… 間違いない―― その時、部屋の窓ガラスがカタカタと小さく揺れ始めた。 .