「1年B組の谷内先生。理事長室に10秒で来ないと給料なし♪」
鬼だ…臣さん。
流石、母さんの兄。
「5…4…3…「間に合いましたか!」
おーすげー!
7秒で来たよ!
「もっと遅く来てよ~。そっちの方が面白かったのに。」
あんたが来いっつったんでしょうが!
でも、それに対して「給料なしはキツイっすから。」と、キレずにいる谷内先生はすごい。
「あ、谷内。こいつが今日からお前のクラスの生徒で、黒沢だ。」
「あれ?昨日の入学式には来てませんでしたよね?どうしたんすか?」
…昨日、入学式だったんだ。
なんでもっと早く教えないんだ。母さん。
「お母さんが入学式の日をまちがえたので…。」
すると、谷内先生は私の肩にポン、と手をおき、
「…じゃ、クラスに行こっか。黒沢さん。」
「…はい。」
優しそうな先生だなぁ。
…一瞬、憐みの視線をむけられたけど、細かいことは気にしない気にしない。