「君は・・・?」
少し戸惑いながら質問する。
「あ、あたし・・・
あたしは、奥野 葵です。」
「あ・・・おい・・・?」
これには驚いて聞き返してしまった。
「?はい。葵です。あたしの名前がどうかしましたか?」
彼女の瞳には碧と似た意志の強さを感じる。
顔は全く似てないけど、
立ち振る舞い、話し方、仕草、
そして笑顔。
全て、とはいかないけどとても、
似ていた____
「いや、
大好きだった彼女と同じ名前なんだ。」
「そ・・・ですか・・・
だから、泣いてたんですね。」
悲しげな瞳。
なぜ君がそんな瞳をするのかわからない。
「・・・苦しそうです。貴方は。」
瞳を伏せ、俯く。
あぁ、彼女は、碧を見てるようだ。
「話・・・聞いてくれるかな?」
「はい。まずは貴方の名前を教えてくれますか?」