「ごめんね。悠、ありがとう」


菜緒はそう言って、悠を思い切り抱きしめた。


「菜緒、大丈夫?」

そういい、悠は菜緒の頭を撫でる。

それと同時に菜緒の瞳から、涙がこぼれた。


「悠ぅ~・・・」


悠も菜緒を抱きしめ返した。


「菜緒、守ってやれなくてごめんな」

「ううん。守ってくれたょ・・・」


悠は菜緒の涙を拭った。


「行こう。悠」

「ああ・・・場所、変えるか?」

悠は菜緒の気を払い、手を引いた。

すると、菜緒は

「・・・菜緒?」

「・・・・・・ぃぃ」

菜緒は顔を疼くめたまま、小さな声で言った。


「でも、菜緒っ」

「いい!!」

大きな声だった。

「いいの。悠がここがいいって言った。だから・・・」

深呼吸をした菜緒は、悠の顔を見つめた。


「たまには、悠のことも叶えてみたいの!!」


必死だった菜緒は、顔が真っ赤だった。

悠は、はぁっとため息をついてにこっと笑った。


「仕方ないなぁ~」

と言ってポンポンと頭を撫でた。

「悠、大好き!!」

菜緒はそう言って飛びついた。

「菜緒~」

悠は照れくさそうにして菜緒を下ろした。



「じゃあ行こっか。菜緒」

「うん!」


2人のデートははじまったばかり・・・。