東雲学園……?

転校………?



「何?冗談はやめ……」

「冗談じゃないよ。本当に転校するの。」


真剣な表情で、転校がウソではないんだと確信する。


「なんで……?」

「仕事だよ。」



杏から、転校に至るまでの経緯を説明してもらった。


“連続通り魔事件から、東雲の生徒を護るため”……。



「いつ転校すんの?」

「………明日……」

「明日!?」

「じいちゃんが、早い方が良いって……学園に行くのは、来週からだけど……」


次第に杏の瞳に涙が溜まってくる。



明日……転校……?


「ちょっと待て……東雲って…
“あの東雲”か?」


コクリと頷いた。



「……あそこ…全寮制だよな?」

「………だから……会えなくなっちゃう……」

「断ることは出来ねぇの?」