「高いとこ嫌い?」
 さっきから見て分かりませんか?と言いたい所。
「へー怖いの?だったら俺にしがみつきなよ」
 うあ!何それ!
「い、いいです…」
 男は目つきが変わった。弱いものを見下すような眼。
「じゃあこのままね」
 なに!?落ちちゃうよ!?
「ちょっと!落ちちゃいますってばー!」
「だね?」
 クスクス笑う男。意地悪だ。
 私は少し涙目になりながら、男に手を回す。
「ね、ねえ?どこいくの?」
「おれんち」
「空を飛んで?」
「そーう。ここの世界じゃないからねー」
 どこなのさ!もしかして…魔界!?殺されちゃう!?
 てか、なんで私…この人にさらわれたんだろう。