あ―――――――――!!!!迷った…。完全にやばい。ヤバイ。
 だから山なんかに来たくなかったんだよ~泣。
 高2の野山ナナは友達と一緒に山に遊びに来てた…が、私は迷子です。
「もうみんな帰っちゃったかなー」
 薄暗い空が気味悪い。
「寒いよー…誰かぁー!」
 一人でぶつぶつ言いながら、どこへ行くかわからない道をたどっていく。
 少しすると、町が見える。
「わーい!帰れるー!」
 の、はずなんだけど…下は崖。どうやら山の頂上なのかも知れない。
「うぅーもう駄目ー!お腹へたよー」
 遠くに見えるわが町に精一杯叫ぶ。当然聞こえないだろうね。
「…もう疲れた!」
 近くに草むらを発見!そこで寝ることにしたのだ!

「――おい」
 んー…?
「…落ちるよ?」
 …はい!?
 何が何なのか訳わからず目を開ける。
 目を開けないほうがよかった。できればこの状況を言ってほしかった。空を飛んでるっ てことを。
「キャーーーーーー!!!!」
 簡単に言います。
 今私は、知らない男にお姫様だっこをされてます。
 そして、この男の人は空を飛んでいます。
 私は、高いところが嫌いです。
「テメーふざけてんなよ。耳、痛い。」
 あわわわわわ!!!
 ほんとに空って飛べるの?あ、夢?山で私死んだのね?
 下には町。
「に、人間?私は死んだの?あなたは天使?」
 でも男の人は、天使に見えない。
 白い服を着ていない。黒が多い。
 も、もしかして地獄?!
「見てわかんねーのか。人間が空飛んでるところ見たことあんの?」
 な、ないです。
「じゃあ死んだの…?」
「…死にたい?」
 クスっと笑って、お姫様だっこをやめ、私の腕を持つ。簡単には、親が小さい子に「高 い高い」をするように近い。
「キャーー!嫌!嫌!落ちちゃう!」
「生きてんだろ」
 あ、そうだね。ってちがーーう!!