彼女は初めて私の方を見た。
『あなたが彼女?』
と、見下したかのような
笑みを浮かべた。
私は何も言えずに俯いた。
「そうなんだぁ?
彼女とはわからなかった。」
嘘つけ!!
思いっきり手を繋いでたじゃない!!
と、心では叫べるのに・・・
私はただ俯くばかり・・・
「ごめんね? 今の話は忘れて!!
彼女さんもごめんなさいね?」
そう言って私に笑みを向ける。
この小悪魔め!!
「じゃあ、撮影あるから行くね。」
「ああ、頑張れよ!!」
「うん。ありがとう。
そうだ、またみんなで飲みに行こうよ。」
「ああ、またな。」
「約束ね。 じゃあ。」
そう言って、手を振り去っていた。
また飲みに行こうね?
また・・・!?
「真樹・・・」
私が不安そうな顔で真樹を見ると、
「行くわけないやろ!!
話し合わせただけや!!」
「そっか。」
私は無理と笑顔を作って見せた。
ホントに大丈夫だよね?
行かないよね?
きっと、そこには幸恵も・・・
絶対私には敵わない相手だよ・・・
幸恵も・・・亜由美ちゃん?も・・・
そう私が俯いていると、
私抱き寄せ、そっとキスをした。
「真樹・・・」
「真菜だけだから。」
「うん・・・」
人前でめっちゃ恥かしかったけど、
『真樹に認められてる彼女なんだ。
愛してもらえてるんだ。』
そう思えた。
真樹、幸せだよ・・・
「そろそろお腹減ったな?」
「うん!!」
真樹のその一言に
私は一気にテンションが上昇!!
バイキング行きま~す!!
パァっと笑顔になった。
「おまえ、わかりやす!!」
「えへへっ///」
私たちはバイキングの店へと向った。
すると、またまた人だかりが・・・
「なんだ?」
人だかりをのぞこうとする真樹。
「真樹!!」
私は真樹のシャツの袖をつかんだ。
「んん!?」
真樹が私の方を振り向いた。
私は首を横に振った。
だって、またさっきの女の子・・・
亜由美ちゃんの撮影かもしれないもん・・・
その時、人だかりができたテントから
アナウンスが聞こえた。
『ただ今からホットドックの
食べ放題大会を始めま~す。』
「真菜、ホットド・・・」
真樹が真菜に話しかけようとした時には、
真菜はもう・・・
「うおぉぉぉー!!!」
真菜の体から炎が・・・(汗)
『優勝者には国内温泉一泊の旅です』
「やったろかぁぁぁぁぁぁー!!!」
真菜の目が炎になってるぅ~!!!
「真菜!? 真菜!?
お、落ち着け。落ち着けぇー
あぁぁぁぁぁー~~~」
『ただいまからぁ~ホットドック
食べ放題大会を始め~す!!
みなさん、席に着いて下さい。』
「真樹、行ってくるね!!」
「あっ、ああ・・・
無理すんなよ・・・(汗)」
「よし!! 行くぞぉぉぉー!!!」
「真菜、気合入ってるなぁ~
大丈夫かな・・・?」
少し不安になる真樹だった。
私は席に着いて。
並べられてるホットドックを見つめた。
美味しそう・・・
よだれが出てくる(汗)
「あら、さっきの?」
私がホットドックに夢中になってると、
誰かが話しかけてきた。
んん!? どこかで聞いた声・・・
私が声のする方を見上げると・・・
亜由美・・・さん・・・
そこに亜由美さんが立っていた。