【短編】 僕のぽっちゃり彼女 ~真菜奮闘編~

『さぁ、残り時間はあと30秒!!
勝負の行方は・・・?』



「絶対に負けない!!
絶対に負けない!!
絶対に負けなーい!!」


私は目の前のホッとドックを
二つ掴んで口に頬張った!!


モグモグ!!


モグモグ!!


あと一個・・・ あと一個・・・




カンカンカーン!!!


『終了ぉぉぉー!!!』


私は手に持っていたホッとドックを
無理やり口に押し込んだ!!



勝負の行方は・・・?


『ギャル○根さん、76個。

相田真菜さん・・・77個!!

よって、ホッとドック食べ放題の
勝者は相田真菜さぁーん!!」



「「「わぁぁぁぁー!!!」」」


『あのギャル○根に勝ったぁー!!』


『とんでもない奴が現れたぁー!!!』



「やったぁー!!!」



やったぁぁぁ!!

あのギャル○根に勝ったぁ!!!

やったぁぁぁー!!!






◇◇◇◇◇





「おい!!真菜起きろ!!」

「やっ・・・たぁ・・・
ムニャムニャ・・・」


「おい!! 真菜!!真菜!!」


「ギャル○根に・・・勝った・・・」


「ギャル○根!? なんだ!?」


「ムニャムニャ・・・」


「こいつ・・・また飯の夢見てるな(焦)
まったく・・・」


真樹は真菜の幸せそうな
寝顔を見ながら微笑んだ。



「真菜・・・」


真樹が真菜の頬にそっとキスをした。


その瞬間!!


「いただきます!!」


ガブッ!!


真菜は真樹の頬にかぶりついた!!



「痛ぁぁぁーいぃぃぃー!!!(泣)」


フローリングにのた打ち回る真樹。


「あれ!? 真樹!?
どーしたの!?」


真樹の泣き叫ぶ声に真菜は目覚ました。




「アホォォォー!!!
おまえが俺のほっぺに
かぶりついたんじゃぁぁぁ!!」


「ほっぺに!?」


「そうじゃぁぁぁ!!!」


「なんで!?」


「知るかぁー!! そんなもん!!(怒怒怒)」


泣きながら怒る真樹。


「ゴメン、ゴメン(笑)」


真菜はそんな真樹を見て笑った。



私の名前は相田真菜。

食べること大好きの22歳。
食べることと寝ることは誰にも負けない!!


そんな私の夢はギャル○根に勝つこと!!


あんな細い子に負けるわけにはいかない!!
ぽっちゃりの名にかけても・・・



「こらぁ!! 真菜!!
何笑ってるねん!!」



フローリングでのた打ち回ってるのは、
私の大切な彼、成宮真樹。


食べても食べても太らない22歳。

ムカつく・・・