隼人がちょっとだけ真面目な顔をしたのに、あたしは気づいた。
「つーかさ。吉村、凛のこと好きだったよなー」
うん。中学の頃、あたしは吉村から何度も告白を受けていた。それは結構まわりも知っていたことだった。
「まぁー、そんなときもあったよね」
あたしは軽めに流す。
「でもさー、凛を好きになるって、相当だよなっ。どんな神経してんだろ。心配」
「何それーっ!あーもう隼人なんか死んじまえっ」
あたしは隼人を置いて駅まで駆けてった。
「待てって馬鹿ー!走り方変だからやめたがいいぞー」
「ほっとーいてー」
そのとき……
ドカッ
一瞬何が起きたか分からなかったけど、どうやらあたしは電柱にぶつかって転んだみたいだった。
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