「一度、義兄さんや真琴ちゃんの所へ帰ってやれよ…」



いくら知也に言われたからって

あたしの気持ちは複雑だった。



今更、どのツラさげて帰る事ができるだろうか…。




知也が

眠ったあと

まだ光輝に返す事ができない携帯で


小さい頃

耳にタコができるくらい

お母さんに覚えさせられた電話番号を

押していく。