右半身に広がる痛み。

隣の列の机や椅子にも身体が当たって痛い。

反射神経の鈍い私は、思い切り床に転がっていた。



転ぶ瞬間、何かに躓(つまず)いた感覚がある。


少し身体を起こし振り向くと、そこにはスカートから伸びる白くて細い長い足。


「…ごめん」

直ぐさま謝りの言葉を掛けた私に差し出されたのは、これまた白くて綺麗な手。

「私の方こそごめんね」

にっこりと微笑む彼女の手は、とても冷たかった。


「いや、私がちゃんと見てなかったから!本当にごめんね。足、大丈夫?」

「大丈夫だから、気にしないでね」