そして………


無情にも時は過ぎゆき、テスト終了を知らせるチャイムが鳴った。



「お…終わ…った……」



思わず口から零れ落ちた言葉は、テストが終わった喜びよりもテストの出来の悪さに落胆した表れ。

せめてもの救いは、とりあえず全ての解答欄を埋められたこと。

埋められただけであって、自信は無い。



「おい、吉沢。早く答案用紙集めて来い」


顔を上げると集まる視線。

急いで答案用紙を集め出した。



列の中頃まで来た時―――


「あっ」

小さな悲鳴と共に視界が揺れた。