そんなプレッシャーを掛けてくるのは、1人しかいない。

昨日まで家庭教師をしてくれていた、あの人。


何で最後の最後に後藤先生が監督に来るの?!

他の教師が良かったのに…今日もツイていない。

本当にツイてない。


一体私が何をしたと云うのか?



焦る私には、幻聴が聞こえ出してきている。


『赤取ったら分かってんだろうな?』

『誰が教えたと思ってんだ?』

『分からないとは言わせねぇぞ!』

聞こえてくる筈のない声が鮮明に聞こえてくる。


ヤバい!

焦れば焦る程ペンは動かず、解答用紙の空欄は埋まらない。