「どうした?」

背後から掛けられた声に、ビクッと肩を震わせる。

それと同時に、心音が加速していくのを感じた。


「せ、先生…」

振り返ると声の主、後藤先生と目が合う。


「何ビビってんだ?馬鹿が。何かあったか?」

頭にポンッと置かれた、先生の手の平から伝わる熱に、更に顔が火照る。


「今日、葉山は委員会があるから遅くなるって」


緊張の中、一生懸命伝えた。

頑張った!

かなり頑張った!


なのに…

「てめぇ。いつになったら、口の聞き方覚えんだ?」

いきなりのお叱り。