「理恵。また見てたの?」


ある日の午後。

休み時間になるとすぐに、こちらへ来たのは亜耶。


「うん」

ご機嫌で頷く。

「こんな所から見てなくても、毎日会えるんだからいいじゃない」

亜耶は窓の外を見下ろす。


「毎日会えても、全然足りないの!」

本当の事…

それに、毎日会える様になったものの…

会話と云う会話は、全て連絡事項や部活に関するものばかり。



あの日以来…

送って貰ってもいない…



「はいはい。あんたが先生をどれ程好きなのかは、十分に分かったから」

『もういい…』と言わんばかりの溜息をつかれた。