汗が目に染みる。

僕は必死で彩を探した。

校舎の中を何度走り抜けただろうか。

…でも彩はいなかった。

僕は自分の教室に行き、窓から見える桜の景色ずっとながめていた。

すると誰かが近寄って来た。

まさか…彩

「何してんの?」


彩……じゃなくて山田だ

「いや小川を探してたんだけど…会えなかったんだよ。」

「そっかぁ~よかったな!」

「なんでたよ?」

「いやあれから考えたんだけど今日会っていきなり告るのは、やっぱ早いよお前。」

「お前が言ったんだろ!!」

僕は山田が究極にいい加減なやつだったということを今になって思いしらされた。

「まあいいじゃねぇか。明日があるんだしよ。」

こいつは……トホホ。

そして次の日。

僕はいつものように遅刻ギリギリで学校につき、いつもと変わらない平凡な時間を過ごしていた。

変わったことといえば山田がいないことだ。

あいつが小・中・高で学校にこなかったことはあまりない。

唯一の欠席といったら中学の修学旅行で沖縄に行ったときに楽しみで我慢できなくなって、みんなより一日早く沖縄にいったことだ。

しかもその後沖縄になじみ、みんなが修学旅行を終え帰った後も一人で二週間そこに居続けた。

……さすが山田と言うべきか。

みんなはあいつのことだから一日経てば、何食わぬ顔でまたすぐ学校にくるだろうと思っていた。

しかし…一日経っても

……二日経っても

………一週間経っても

山田が学校に来ることはなかった。

……あの人は今どこに。

山田のことだ、北海道にでも行っているのであろうか。