地獄のような一日が終わり僕はヘトヘトになりながら相棒の山田と教室をでた。







…「待って木村くん!」

僕は何かに引っ張られるかのように後を振り返ると彩がいた。

「…どうしたの?」

「これありがとう。」

彩の手には僕のシャーペンが握られていた。

「いいよ……じゃ。」

あまりの緊張でその場から立ち去ってしまった。

すると山田が掛けよってきた。

「だめだよなお前は。いっつもそうだ好きな子を目の前にしたらなんにも話せなくなんだからよ。」

「うっせーなー」

「そんなことじゃ小川との距離は一向に縮まらないぜ。小川を狙ってんのはお前だけじゃねーんだからよ。」

確かに彩はたくさんの男からモテていた。

そしてまた山田もなぜか昔から女の子にはモテモテだ…。

すると山田がいきなり真剣な顔で俺に言った。

「行けよ!」

「何がだよ?」

「わかってんだろ。小川のとこだよ!」

「なんでだよ!?」

「好きなんだろ小川のこと。早く行けよ。」

「そりゃ気にはなるけど…まだ今日会ったばっかだしよ。」

「おい拓哉!」

「ん?」

「明日やろーはバカやろーなんだよ!!」

僕は久しぶりに山田の真剣な言葉を聞いて、ふときずくと走り出していた。

…彩のところへ。