彩はシャーペンを忘れたらしくとても困っていた。

僕はもともと女の子と喋るのは苦手だったが勇気を出して話かけてみた。

「あの…よかったらこれ使う?」

僕は自分が恥ずかしくてしょうがなかった。

「ありがとう。」

彩は僕の目をみてニッコリとほほ笑んでくれた。

でも僕は咄嗟に動揺して目をそらしてしまった。

一時間目は、今までの授業で一番長く感じ、横に彩がいるというプレッシャーで押しつぶされそうになった。

毎時間これが続くかとおもうと変になりそうだ。

授業が終わり休み時間に入ると彩はたくさんの生徒に話しかけられていた。

僕もまた一人の生徒に話しかけられていた…。

「なぁ拓哉!小川ってお前のタイプだろ?」

「ち…ちげーよタ…タイプなんかじゃねーよ。」

いきなりの質問に動揺を隠しきれなかった。

「やっぱお前のタイプだろ。」

あの鈍感な山田に追い詰められた僕は咄嗟に教室をでた。