やはり、人は噂話とオカルト話は好きなのだ。
長谷部の流した噂はその日のうちに校内に広まり、メールによって校外にも広まっていった。
この噂を流す理由は明らかだ。
人為的な犯罪を、存在しないハズの悪霊や自殺に見せかけるカモフラージュだ。
一体何人が、この事実に気付いているのだろうか?
その日の放課後、帰宅しようと駅前を歩いていると、同じクラスの岸本を見掛けた。
駅前の古本屋から出て来ると、脇目も振らず踏切り方向に自転車で走り去った。
無口で暗い雰囲気を漂わせているので、ほとんど話をした事もない。それにしても、あんなカビ臭い古本屋に一体何の用事があるのだろうか?
いや、岸本の事などどうでもいい。早く解決の糸口を見付け出さなくては・・・
私は三春駅に入り改札を抜けると、直ぐにホームに向かい電車を待った。
待ち時間が手持ち無沙汰なので、私はあの小説の続きを読む事にした。