「そう・・・かあ」
私の落ち込んだ様子に気を遣ったのか、長谷部が自分の携帯電話を取り出して言った。
「まあ、とりあえず連絡は出来るから」
しかし、長谷部がスマートフォンを持ったまま黙り込んだ。
「退会してる・・・何か気味悪いな」
２人とも、何とも言えないイヤな空気に包まれた。１人には脅迫めいたメールが届き、１人は片棒を担がされている。
暫く重苦しい沈黙が続いたが、私が長谷部に対して口を開いた。
「ねえ、プロフィールとか、少しは覚えていないの？」
「プロフィール？
一応登録はされてたけど、本当かどうかは分からないからな」
そんな事は分かっているけど、少しでも手掛かりがあればと思ったのだ。
「確か、市内の女子高生って事になってたと思うけど・・・それと、登録名は確か平仮名で──あゆみ──だったと思う」
え・・・あ、あゆみ？
