「あるSNSにな、三春市民限定のコミュ二ティがあるんだよ。俺は、そこに登録してるんだ」
「はあ?
別に、長谷部の私生活になんか興味ないよ」
唐突に意味不明な事を言い出す長谷部に、私は少しムッとする。
「まあ聞けよ・・・
そこで知り合った奴に、噂を流してくれる様に頼まれたんだよ」
「え?」
頼まれた?
どういう事?
私は予想外の展開に、頭の中が整理出来なくなってきた。
「そこの奴から、──1万円やるから噂を流してくれ──ってな。
別に、悪気があって噂を流した訳じゃねえよ。バイトだよバイト」
「じゃあ長谷部は、その依頼してきた人に会ったんじゃないの?」
話の流れからすれば、その依頼してきた人物が、今回の事について関与しているとしか思えない。
しかし・・・
次の瞬間、私の淡い期待は打ち砕かれた。
「いや、サイト内のメールのやり取りだけで、金の受け渡しも指定された場所に隠してあっただけだ」