「どうしようかなあ・・・
何であんな噂を流すのか、教えてくれたら黙っておいてあげても良いけど?」
「くそっ!!」
長谷部はを視線を逸らして黙り込む。
よし、もうひと押しだ。
「分かった、もう聞かない。
今から生活指導室に行ってくるよ!!」
長谷部の前を通り過ぎ、生活指導室に行くふりをする。その動きに、ついに長谷部が両手を上げた。
「わ、分かった、分かった。
話してやるから、絶対に誰にも言うなよ」
長谷部は誰もいない非常階段に移動すると、少しずつ話し始めた。
「何で、俺が噂を流してると分かったんだ?」
「何でって・・・
いつも長谷部が一番最初に色々知ってれば、誰にでも分かるよ」
「そ、そうか・・・そうだよな」
長谷部は自分の頭をポリポリと掻きながら、ガックリとうなだれる。
「それで?
あの噂って、全部嘘じゃん。何であんなデタラメな話を広めてるの?」
「実はな――」
長谷部の口から、意外な事実が明かされた。