私は帰宅途中に電車の中で、以前愛美から受け取ったメールを開いた。そこに、愛美が登録していた携帯小説サイトのURLが入力されていたからだ。

私はそのURLに接続し、ケータイ小説サイトに登録する手続きを始めた。

今の私に出来るのは、現在分かっている事を順番に確認していくしかない。


ケータイ小説サイトの登録は意外と入力事項が多く、手続きが完了したのは自宅に帰ってからだった。

とりあえず、制服のままリビングに座り込み、皆が言っていたAYUMIを探して作品一覧を見た。


登録してある作品はひとつだけで、ジャンルは恋愛のみ。

「【さようなら】か、何か適当に決めた様ななタイトルだなあ・・・」

表紙を読み、続いて本文に入る。

綺麗で読み易い文章。それでいて、妙にテンポが良く心地良い。確かに、これならヒットするのも納得だ。


でも、この小説があの事件と関係ある様には思えない。


「はあ・・・」

私が大きくため息を吐くと同時に、背後に人の気配がした。