病院に着き愛美の病室に行くと、面会謝絶の札は既に外されていた。

コンコン・・・と、恐る恐る扉をノックする。すると、病室の中からおばさんの声がした。

「どうぞ」

ゆっくりと扉を開け、先に顔だけ入れて様子をうかがう。

「こんにちは」

「あら、千里ちゃん。いらっしゃい」


病室に入り愛美の様子を見ると、まだ点滴が数本腕に巻き付けられていた。顔にも包帯が巻かれたままで、意識があるのかどうかも分からない。

よく見ると、頭を動かさない様に、フランケンシュタインを思い出させる奇妙な器具が取り付けられていた。


「まだ、意識は戻ってないのよ。
先生は大丈夫だって言うけど、心配で・・・」

「そうですか・・・
でも、前見た時よりは随分顔色も善くなりましたよね」

「そう?」

実際は包帯が巻いてあるから、顔色なんて分かるハズがない。だけど、私の言葉で少しでもおばさんが安心出来るならいくらでも口にする。


私は愛美の姿を目に焼き付け、事件の全容究明を再び誓って病室を後にした。