翌日――
学校に行くと教室に岸本の姿は無く、欠席という事だった。
今日は我が校の創立記念日で、授業は午前の3時間のみだ。まあ、休んでもあまり影響はない。
昨日のあの様子を考えると、妹に付きっきりで相当疲れが溜まっているのだろう。
午前中で授業が終わると、私はさっそくあの古本屋に向かった。
是非とも店主に確認してもらいたい人物が、私のスマートフォンに入っているのだ。
「こんにちは」
古本の間を身体を横にして通ると、私は奥のカウンターに向かった。カウンターで本を読んでいた店主は老眼鏡を下にズラし、上目遣いで私を見る。
「ああ、また来たのかい。今度は何の用だい?」
私は店主の座るカウンターに歩み寄ると、スマートフォンの画面を差し出して言った。
「これ、ちょっと見て頂けますか?」