エレベーターで病棟に上がり、愛美がいる病室の前に立つと、私の心臓の鼓動が更に高鳴る。
「どうぞ」
病室の中から、今までとは違うおばさんの明るい声がした。私は思い切って扉を開け、愛美がいるハズのベッドの方を見た――
「千里・・・」
「愛美・・・」
本当の意味での再会に、お互い名前を呼び合っただけなのに、クシャクシャになるほど涙が溢れてきた。声にならない嗚咽が、延々と続いた。
散々泣いた後、お互い目を真っ赤にしたまま話しをした。
愛美は順調に回復していて、あと1ヶ月くらいで自宅療養になるらしい。そうなれば、もっとゆっくり会える。
「千里、ホントにありがとう。
もし制服を引っ張ってくれなかったら、ホントに死んでいたよ・・・
まだ花が咲くのは、これからなのにね!!」
「もう、何を呑気に笑ってんのよ。
警察発表では自殺って事になってるけど、自殺する理由なんて何もないもんね」
「う・・・ん」
愛美が急に真顔になった。